作法
キリスト教と仏教、それぞれのお墓を比べると、墓石の形や納骨方法など様々な部分に違いがありますが、それ以前にお墓に対する考え方が大きく違います。
仏教では、故人やご先祖様を供養するためにお墓を建てます。キリスト教には、大きく分けてプロテスタントとカトリックという宗派がありますが、どちらの宗派も、故人に思いを馳せるための「記念碑」という意味合いでお墓を建てます。キリスト教にとって死は「新たな人生の始まり」とされ、死後、魂は地上に留まることなく「天国に召される」「神の元へ凱旋する」と考えるためです。
また、先祖代々受け継がれていく日本の仏教のお墓と違い、キリスト教では1人で1つのお墓が基本となり、信仰対象となる三位一体の神ヤハウェ、イエス・キリスト、聖霊に祈りを捧げるのみで供養という概念はありません。
仏教の場合には四十九日の法要を終えてから納骨するのが一般的です。
一方のキリスト教では、カトリックの場合は7日目に行われる追悼ミサの翌日かその1か月後、プロテスタント各派の場合は1か月後の召天(昇天)記念日に納骨することが多いです。
火葬が終わり納骨を迎えるまでは、自宅や教会で遺骨・遺灰を保管して、祈りを捧げます。
納骨式では、司祭の立会いの下、聖書朗読、説教、賛美歌合唱が行われ、最後に全員で祈りを捧げ納骨します。
その後は、カトリックや聖公会などでは神に召されたすべての人へ祈りを捧げる日として11月に礼拝を行うことが多く、プロテスタント各派では亡くなってから5年目までの召天記念日に墓前で記念会を開く場合が多いようです。